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愛し沼の底

歪みかわいい集め

あなたの塵は私の宝物

私は物が捨てられない。特に人から貰ったものが捨てられない。私の性質とは違う、雑音が溜まっていく。理想で塗り固めた部屋の中に雑多な思いが蓄積する。それは地方キャラクターの土産物であったり、ノベルティグッズの趣味でもないタオルであったり、私にとって関わり合いの無さそうなものばかりだ。

 
他人の気持ちの名残が染み付いているような気がするので私はそういう雑音を封印するための箱を用意する。物の性質の壁なしに、何でもそこへ放り込む。本でも、ストラップでも、手紙でも、どうだっていい。持ち上げると箱はざこざこ音をたてる。いっそのこと、この箱ごとどこかへやってしまえたらいいのにと、いつも思うのだけれど、ひょんな時に思い出しては中を眺めている。
 
人の優しさや思いやりの必要性は普段あまり感じない。むしろ意地を張っていらないもののようのしている。つまり、私はそういうものが大切なのだ。あればあるだけ欲しくなる。強欲のうねり。箱の中で愛が叫んでいる。一つ一つはほんの小さなささやき声でも、重さとして煩さとして、私に主張する。
 
いまここにある愛。いまここにある興味。いまここにある、私が生きていていい理由。
 
神様がいつか私の体を返すように言っていても、この箱だけは私と燃えて一つになる。